不透明な金融取引が世界的な金融危機の一因とされていたタックスヘイブン(租税回避地)諸国で情報開示の動きが広がっている。タックスヘイブンは税制の透明性が低く、税務当局間の情報交換ができない国・地域だ。経済協力開発機構(OECD)は1990年代から企業や個人がタックスヘイブンを利用して租税回避する動きが広がったため、租税条約の国際基準を満たしていない国のリストを公表。現在、スイスなど36か国・地域が「灰色リスト」に掲載されている。タックスヘイブンは脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)が懸念されても租税条約を結んでいないため、各国の税務当局が実態を把握しにくかった。こうした中で情報交換協定の締結に応じる動きが相次ぎ、ケイマン諸島は4月に北欧7か国との協定合意を発表した。日本も6月にバミューダと協定締結で、スイスと租税条約改正でそれぞれ合意した。2007年に12件だった情報交換協定は08年に22件、09年はすでに50件以上結ばれている。情報開示を求める動きは、世界不況を受けた景気対策で先進各国が大規模な財政出動に乗り出し、財政悪化が拡大したことが背景にある。税収確保に向けて脱税を厳しく監視する狙いだ。
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